この記事では、全キャラクターの声優一覧・清太・節子役のプロフィールと現在・プレスコ収録の秘話・となりのトトロとの同日公開という驚きの事実まで、詳しく解説します。
キツネコロ君清太と節子の声、すごくリアルだよね。プロの声優さんじゃないの?



実は清太役は当時16歳、節子役はなんと5歳11ヶ月の子どもが演じていたんです。しかも全員関西出身者で固めた特別なキャスティングで、収録方法も革命的だったんですよ。
- 清太・節子など主要キャラの声優プロフィール
- 声優陣の「その後・現在の消息」
- 高畑勲監督が生み出した革命的収録手法「プレスコ」の秘話
- となりのトトロとの同日公開という驚きの事実
『火垂るの墓』声優・キャスト一覧
引用:火垂るの墓
© 野坂昭如/新潮社, 1988
まずは全キャラクターの声優を一覧でまとめました。プロ声優より俳優・子役が中心という、ジブリ作品の中でも異色のキャスト構成です。
| キャラクター | 声優 | 役柄 |
|---|---|---|
| 清太(せいた) | 辰巳努 | 14歳の少年・主人公(収録当時16歳) |
| 節子(せつこ) | 白石綾乃 | 4歳の妹・ヒロイン(収録当時5歳11ヶ月) |
| 母 | 志乃原良子 | 清太・節子の母親 |
| おばさん(未亡人) | 山口朱美 | 清太たちを引き取る親戚の叔母 |
キャスティングの特徴:作品の舞台が神戸(関西)のため、全キャスト関西出身者で統一されています。また本職のアニメ声優はほぼ起用されず、俳優・子役を中心に組まれた異色のキャスト構成です。
清太役:辰巳努(たつみ つとむ)
引用:火垂るの墓
© 野坂昭如/新潮社, 1988
兄・清太を演じた辰巳努は、収録当時16歳の関西出身の子役俳優。関西弁を話せる少年という条件のもと、オーディションで選ばれました。
プロフィール・出演歴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 1972年3月生まれ |
| 収録時年齢 | 16歳 |
| 出身 | 関西 |
| ジャンル | 子役俳優 |
- 映画『瀬戸内少年野球団』出演
- 映画『愛しき日々よ』少年期の主人公役
- 『火垂るの墓』清太役(1988年)
- テレビドラマ『部長刑事』出演(1989年)
その後・現在の消息
1989年のドラマ出演を最後に芸能活動の記録が確認できず、現在の消息は不明です。ファンの間では長年「今どこに?」と話題になり続けていますが、公式な情報は一切出ていません。
清太のあの切迫した演技は、16歳の少年が関西弁で必死に兄を演じた結果であり、今なお多くの視聴者の心を揺さぶり続けています。



辰巳努さん、今どうしてるんだろう…。



長年謎のままなんだよね。だからこそ余計に清太というキャラと重なって、作品の切なさが増すような気もするね。
節子役:白石綾乃(しらいし あやの)
引用:火垂るの墓
© 野坂昭如/新潮社, 1988
妹・節子を演じた白石綾乃は、収録当時わずか5歳11ヶ月。高畑勲監督が「本物の節子の声が紛れ込んだ」と語った、奇跡の声の持ち主です。
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 1982年5月生まれ |
| 収録時年齢 | 5歳11ヶ月 |
| 出身 | 関西 |
収録秘話:疲れるまで繰り返させた
5歳の白石綾乃はセリフの意味がまだよく分かっておらず、収録開始当初はシーンに関係なく元気よく発声していました。
そこで高畑監督とスタッフが取った手法が、「明るいシーン以外では、意図的に同じセリフを何度も繰り返させ、疲れて声に力がなくなってきた頃にOKテイクを録る」というものでした。
子どもの「疲れた声」こそが、節子のはかなさと哀愁を完璧に表現している——プロの声優にはけっして作れない、本物の5歳児の声がそこにあったのです。
兄妹のように接した辰巳努との関係
収録中、白石が時々泣き出すことがありましたが、そんなとき清太役の辰巳努が自然となだめてあげたといいます。スタッフ全員が「本当の兄妹のようだ」と口を揃えたというエピソードは、作品のリアリティの源泉とも言えます。
その後・現在の消息
白石綾乃もその後の芸能活動の記録はなく、現在の消息は不明です。ふたりの声優が揃って消息不明というのは、作品のはかなさとどこか重なる部分があり、ファンの間で語り継がれています。



5歳11ヶ月で、あの演技…。信じられない。



「演技」というより、まさに「本物の節子がそこにいた」感じだよね。高畑監督の演出の凄みだね。
高畑勲監督が生み出した革命的手法「プレスコ」
『火垂るの墓』では、アニメーション制作の常識を覆す「プレスコ(プレスコアリング)」方式が採用されました。
プレスコとは?
通常のアニメ制作では「アフレコ(完成した映像に後から声を当てる)」が一般的です。しかし火垂るの墓では逆に先に声を収録し、その声に合わせてアニメーション作画を行う手法を採用しました。
📽️ 通常のアフレコ
- 映像が先に完成する
- 口の動きに合わせて声を当てる
- 演者の自然な間・息づかいが制限される
🎙️ 火垂るのプレスコ
- 声を先に収録する
- 声に合わせて絵を作る
- 自然な間・息づかい・感情がそのまま活きる
高畑勲監督は「演者の発声のタイミングやアクセント、息づかいまで絵作りに活かしたい」という強い信念のもとこの手法を採用。特に節子のような幼い子どもの自然な声の揺れや感情を、映像に完全に焼き付けることに成功しました。



だから節子の声ってあんなにリアルに聞こえるんだ!



そうなんだ。プレスコだからこそ5歳の子どもの「本物の疲れ」が声に乗っていて、見ているこちらが胸を締め付けられる。高畑監督の執念と言える演出だね。
となりのトトロと同日公開だった!
高畑勲監督の『火垂るの墓』と、宮崎駿監督の『となりのトトロ』が同じ日・同じ劇場でセットで上映されるという、映画史に残る異例の二本立て興行でした。
豆知識:当時の映画館では、トトロを先に上映し、次に火垂るの墓を上映する順番が多かったと言われています。「夢と現実」「希望と悲しみ」が一度に体験できる、ある意味で究極のジブリ体験でした。





トトロと火垂るの墓が同日公開って、気持ちの落差がすごすぎる…。



当時の映画館を出てきたお客さんのことを考えると…。ジブリが意図的に「喜びと悲しみ」を一日で届けようとしたのかもしれないね。
よくある質問(FAQ)
まとめ:子どもの「本物の声」が生んだ不朽の名作
- 清太役は辰巳努(収録当時16歳・関西出身)。1989年以降の消息不明。
- 節子役は白石綾乃(収録当時5歳11ヶ月)。高畑監督が「本物の節子の声」と絶賛。現在の消息不明。
- 全キャスト関西出身者で統一。プロのアニメ声優はほぼ不在という異色構成。
- 高畑勲監督の「プレスコ」方式が、子どもの自然な声・疲れ・感情をそのまま映像に封じ込めた。
- 1988年4月16日に『となりのトトロ』と同日二本立てで公開された映画史に残る興行。
『火垂るの墓』の声が他の作品と一線を画すのは、プロの声優が「演じた」声ではなく、本物の子どもたちが「生きた」声だからかもしれません。高畑勲監督が信じた「本物の声の力」が、40年近く経った今も見る人の胸を打ち続けています。



声優さんのことを知ってから見ると、また違う見方ができそう。



ぜひ。節子の声が「疲れた頃に録った」と知った上で聞くと、あの儚さが余計に心に刺さるよね…。ハンカチを手元に置いてから再視聴だね。






コメント